
平安三段の挙動数は20!
松濤館流の形の中では、一番挙動数が少ない形となっています。
ただし、「形は挙動数が少ないから簡単に覚えられる」というものではありません。
平安三段からは閉足立ちや騎馬立ちなど様々な立ち方が出てきます。
素早い動きの中で、決められた立ち方を極める事が重要になってきます。
立ち方に気をつけて、しっかりと練習に励みましょう。
平安三段 挙動数と技の構成
1挙動
右後屈立ち、左内受け
左側に左足をすり出し、後屈立ちとなる。
それと同時に、左手を右腰前から左前腕の外側を通るように内受け、右手はしっかり脇を締めて引手を取る。
2挙動
閉足立ち、右内受け、左下段払い
左足の位置に右足をつけるように動かして閉足立ちとなる。
この時に膝はしっかり伸ばす。
右足の動きと同時に、右手は左前腕の外側から内受けを行い、左手は右前腕の内側を通して下段払いを行う。
両肘と身体の間は拳一つ分とし、右腕は肘を直角にする。
3挙動
閉足立ち、左内受け、右下段払い
足の位置はそのまま、左手は右前腕の外側を通して内受け、右手は左前腕の内側を通し手下段払い。
2挙動、3挙動は素早く連続して行うようにする。
4挙動
左後屈立ち、右内受け
閉足立ちの姿勢から後方に向けて180度右側に反転して、右後屈立ちとなりながら、右内受けを行う。
3挙動目の右下段払いの位置から左肘の外側に右腕を持っていき、左踵を軸に反転しつつ、右足を前にすり出すと同時に、右内受けと左引手を勢いよく行いビタッと止まれるように練習しましょう。
5挙動
閉足立ち、左内受け、右下段払い
2挙動目と同じで、左右反対に行う。
6挙動
閉足立ち、右内受け、左下段払い
3挙動目と同じで、左右反対に行う。
7挙動
右後屈立ち、左前諸手受け
右足の位置はそのままで、右足を軸に左足を前にすり出して左後屈立ちとなる。
後屈立ちとなると同時に右小指を左肘内側に付けて、左諸手受け。
諸手受けの時、左拳は肩と同等の高さにして、左肘と体の間は拳1つ分くらいを目安とする。
8挙動
右前屈立ち、右貫き手
左諸手受けの手の位置から、左手を開掌し手の甲を上向きになるように内側へ倒す(相手の手を抑え込むような心持ちで)。
左足を軸にし、右足を前方へすり出して前屈立ちとなると同時に、右手を手刀の形にし、左手甲の上を通すように貫手を前方へ出す(親指側が上にくるように手刀を立てた状態)。
貫手を打った後は、右肘を守るように左手の甲が右肘の下側に位置させる。
9挙動
騎馬立ち、左中段突き
右足を軸に反時計回りに一回転して騎馬立ちの姿勢となり、左中段突きを行う。
9挙動目はかなり難しいです。
右の貫手を掴まれた場合を想定した動きで掴まれた腕を振りほどく動きをイメージしましょう。
右手を身体に近づけて回るのではなく、右手の位置に自分の身体を巻き付けて掴まれた腕を振りほどくイメージをしましょう。
10挙動(気合)
右前屈立ち、右中段追い突き
騎馬立ちの姿勢から左足を軸に右足を前方へすり出して中段追い突き。
11挙動
閉足立ち
右足を軸にし、左足を近づけながら180度回転し、閉足立ちとなる。
この時、両手は拳を握り、甲前向きとして帯の上に。
動作はゆっくりと行う。
12挙動
右足踏み込み、騎馬立ち、右振り猿臂
右膝を右胸の前に高く持ち上げて、腰を左に回して右足を強く踏み込み騎馬立ちとなると同時に、両手は腰につけたまま右肘で振り猿臂。
顔は右を向けた状態とする。
13挙動
騎馬立ち、右裏拳縦廻し打ち
騎馬立ちのまま、右拳は肘を中心に右側へ、縦に半円を描くように廻し打ち(手甲下向き)。
縦廻し打ちの直後、再度肘を中心に回すようにし、右肩前から右腰へ、廻し打ちを打つ時の軌道をなぞる様に元に戻す。
14挙動
左脚踏み込み、騎馬立ち、左振り猿臂
12挙動と同様に左右反対で行う。
15挙動
騎馬立ち、左裏拳縦廻し打ち
13挙動と同様に左右反対で行う。
16挙動
右踏み込み、騎馬立ち、右振り猿臂
12挙動と同様に行う。
17挙動
騎馬立ち、右裏拳縦廻し打ち
13挙動と同様に行う。
18挙動
騎馬立ち、左追い突き→左前屈立ち、左中段順突き
騎馬立ちのまま右手を開掌して、右側へ相手を掴み寄せるように出す。
右手を出す時に、左手側は甲を下向きとし、引手の位置に拳を持ってくる。
そこから、左足を前にすり出して、左前屈立ちの左追い突きを行う。
19挙動
騎馬立ち、右拳左上後方突き上げ、左後ろ猿臂
左足の位置はそのままにし、右足を左足の位置に揃えるように前に出す。この時、左右の足幅が変わらないよう右足は前屈立ちの足幅のまま前方へ出す。
右足を前に出したら、右足を軸にして180度回転すると同時に、右拳は左肩の上をめがけて上後方突き上げ(甲上向き)、左手は引手のようにし、左後方へ猿臂を放つ。
20挙動(気合)
騎馬立ち、左拳右肩上後方突き上げ、右後ろ猿臂
騎馬立ちのまま、右側へ寄り足を行う。
この時に左拳は右肩上に向けて、後上方突き上げ(甲上向き)、右側は引手を取る様に右肘を後方へ強く引きつけ右後ろ猿臂。
まとめ
平安三段の動きを挙動数ごとにまとめました。
左右が違うだけで同じ動きをするところも多く、挙動数も少ないので覚えやすい形です。
ただ、立ち方の種類が増えていますので、難易度は難しくなってきています。
しっかりと練習を積み重ねましょう。