
平安二段は全部で26挙動あります。
形を覚えるのは大変です。
僕は何度も動画を見ながら覚えましたが、動画だけでは動作が速すぎて、最初のうちは特についていけません。
文字で一つ一つ自分のペースで形を組み立てていくように覚えると覚えやすいかもしれないと思い文字に起こしてみました。
同じような思いをされているかたは、是非この記事を参考に覚えてみましょう。
1挙動
右後屈立ち、左背腕左側面上段横受け、右前腕額前横構
開始位置から素早く、右脚を軸に左足を左側にすり出して右後屈立ちとなると同時に、左腕を左側面上段にし、左肘を直角に曲げ、左肘と左肩が同じになるように、右腕は同じく肘を直角に曲げ、右肩の真上に右肘がくるようにし、両腕で四角形を作ります(両手とも甲が後ろ向き)。
2挙動
右後屈立ち、左上段外流し受け、右拳槌左側面外廻し打ち
立ち方はそのまま後屈立ち。
左腕は脇を締めるように左拳を右肩上に、手首を返して甲側が外向きになるように持ってきます。
右腕も脇を締めるように右肘を水月の前に、右拳は額の前から外受けのように下に振り下ろします。
両腕の動きは結果的に胸前で十字を作るような形になります。
3挙動
右後屈立ち、左側面中段突き
立ち方は後屈立ちのまま。
右手は引手を取り、右腰横まで素早く持ってきて、左拳は右肩前から上段を突きます。
2,3挙動は連続して技を繋げるようにすると技の強弱が出来ます。
4挙動
左後屈立ち、背腕左側面上段横受け、左前腕額前横構
1挙動と同じ動きを左右対称に行います。
右後屈立ちから左後屈立ちへ素早く変わるよう意識しましょう。
脚幅はそのままで、重心を右脚から左脚へしっかり移すことで後屈立ちが決まります。
5挙動
左後屈立ち、右上段外流し受け、左拳槌左側面外廻し打ち
2挙動目を左右対称に実施。
6挙動
左後屈立ち、右側面中段突き
3挙動目を左右対称に実施。
7挙動
左脚立ち、右裏拳上段横回し打ち、右足刀中段横蹴上げ
左脚を右側へ半歩引き寄せて、後方を向くと同時に、左片脚立ちの姿勢を取り、右足は左膝横へ軽く添えるように持ってきて、左拳を甲下向きに左腰横の引手の位置へ、右拳は左拳の上に甲を前向きに積み重ねます。
この姿勢から上段へ右裏拳と中段へ右蹴上げを同時に打ちます。
蹴上げを無理に上段の位置まで上げてしまうと体幹を左に傾斜させすぎてしまい、体の軸が定まらなくなります。
裏拳は肩の水平線の延長上を意識したいのですが、体幹の傾斜が大きくなると肩の位置よりも上に裏拳が上がってしまい適切な位置へ技を打つことができなくなるので注意しましょう。
8挙動
右後屈立ち、左手刀中段受け
右裏拳と蹴上げの同時技の後は、すぐさま右手は手刀の形を作り、甲を上向きに左腰前へ、左手も手刀の形を作り右肩上に甲を外向きに、脚は右蹴上げの後に引き脚を取って元の位置の左膝の内側に右足裏がくるように一度戻します。
この時に右側へ重心を移すと、右側へ自然と身体が誘導され、右足を着地させると同時に右後屈立ち、左手刀受け。
9挙動
左後屈立ち、右手刀中段受け
右足を一歩前にすり出しながら、右手刀受け。
10挙動
右後屈立ち、左手刀中段受け
左足を一歩前にすり出し、左手刀受け。
11挙動(気合)
右前屈立ち、左掌中段押さえ受け、右中段縦貫手
右足を一歩前にすり出して、前屈立ちとなります。
前に運足している時に、左手は手刀受けから肘を軸に地面に水平となるように内向きに腕を倒し押さえ受けをします。
右手は水月の位置から手刀の形そのままに、手首を返して親指側が上向くように立て、左手の甲の上から中段の位置に貫手をして、「エイっ!」と気合。
しっかり正身の前屈立ちで貫手をし、左手は右肘の位置で(肘の内側を守る意味)。
12挙動
右後屈立ち、左手刀中段受け
右脚を軸に反時計回りに270度回転して、右手刀受けをします。
右膝は曲げたままで、左脚を右脚に引き寄せながら回転します。
回転動作と同時に両手は開掌し手刀の形を作った状態にし、左手は右首から右耳の下へ掌側を内向きに位置させ、右手は左腰の前側に掌側を下向きに位置させます。
左脚をすり出しながら後屈立ちとなると同時に、左手刀受け。
左手の位置は肩の高さで、右手の位置は水月に掌側を上向きにして水平にしましょう。
13挙動
左後屈立ち、右手刀中段受け
左脚を軸に右斜め45度方向に右足をすり出すと同時に、右手は左肩上に、左手は右腰の前に手の甲上向きに持ってきて、右の手刀受けを行います。
右足を前にすり出す時に、前に進む気持ちで手刀受けをしてしまうと、後屈立ちがうまくいかないので、軸となる左脚に体重を乗せたまま、左股関節を折り曲げ重心を移動させないように意識すると後屈立ちが上手く出来ます。
14挙動
左後屈立ち、右手刀中段受け
左脚を軸に右方向に135度転身し、右手刀受け。
右手刀受けの連続になるので、右手刀受けをした後の右手を右肩上に、左手は甲を上向きに右腰前にしてから手刀受け。
ここも後屈立ちのコツは13挙動と同じで、軸足(左)に重心を残す感覚で右足を前にすり出しましょう。
15挙動
右後屈立ち、左手刀中段受け
右脚を軸に左斜め45度方向に左手刀受け。
動きは13挙動目と左右反対になるだけです。
16挙動
左前屈立ち、右中段内受け、逆半身
左脚を前に出しながら前屈立ちとなると同時に、右手は内受け、左手は引手をとり左腰の横に。
この時の前屈立ちは逆半身となっており、腰を左に捻り、帯の結び目がやや左向きになるように腰を切りましょう。
17挙動
右中段前蹴り
両手の位置はそのままに、右足で中段に前蹴り。
前蹴りはしっかりと虎趾の形(足首は下向きに締め、親指は反らし母指球部分を突き出すように蹴る)。
前蹴りの時にぐらついて手の位置が変わらないように注意するのもポイントです。
18挙動
右前屈立ち、左中段逆突き
前蹴りから引き足をしっかり取りながら、前側に重心移動して右前屈立ちとなると同時に、左中段逆突き。
19挙動
右前屈立ち、左中段内受け、逆半身
右前屈立ちの姿勢から右足を半歩引き寄せつつ、左逆突きの手で素早く内受け。
この時に逆半身の姿勢になるので、腰を右に捻り帯の結び目が右斜め前方向を向くようにしましょう。
20挙動
左中段前蹴り
17挙動目と左右対称で左前蹴りをします。
腕の位置は動かさないようにして、前蹴りをします。
21挙動
左前屈立ち、右中段逆突き
前蹴りの後はしっかり引き足を取り、左前屈立ちになると同時に右逆突き。
22挙動
右前屈立ち、右中段諸手受け
右足を前にすり出しながら、右逆突きをした手は一度左脇に持ってきて、右手は内受けをするように前に出す。
この時に左手は拳を握って右肘の内側へつけ、両手を前側に出すように諸手受けをします。
23挙動
左前屈立ち、左下段払い
22挙動で前屈立ち、諸手受けの姿勢になっているところから270度反時計回りに転身。
両手とも拳を握り、左手は右肩の上、右手は左腰前に甲を上向きにし、左足を前にすり出すと同時に左下段払い。
24挙動
右前屈立ち、右上段揚げ受け
23挙動での左前屈立ち、左下段払いの姿勢から斜め45度方向に右足を前にすり出しながら右揚げ受け。
25挙動
右前屈立ち、右下段払い
左脚を軸に右方向へ135度転身。
左膝を曲げて後ろに重心を戻すと同時に右手は左肩上、左手は右腰前にし、左下段払いの準備。
右足を前にすり出し、前屈立ちとなり右手で下段払い、左手は引手をしっかり取る。
下段払いの時は半身になることを意識します。
26挙動(気合)
左前屈立ち、左上段揚げ受け
25挙動の右下段払いから、右脚を軸に斜め45度方向に左足をすり出しながら左揚げ受け。
平安二段最後の挙動になるので、重心の低い前屈立ちと半身を意識した姿勢で、「エイっ」と声を出しましょう。
最後は前方に視線を向けて、左脚を右脚と並べて八字立ち。
両手は軽く拳を握り、両方とも腰の前にし始めの姿勢に戻す。
左→右の順に脚を真ん中に寄せ、両踵が接するように結び立ちとなり、一礼。
まとめ
松濤館流の平安二段の動きをまとめました。
形を覚えるのは大変なので、この記事を参考に自分のペースで習得してもらえたらと思います。