
空手は昇級審査があり、合格して級を上げていく事で黒帯に近づいていきます。
最初の昇級審査は10級。
誰でも通る道ですが、初めての昇級審査は緊張します。
しっかり練習して昇級したいものです。
この記事では日本空手協会の10級受験の試験内容と審査に合格するためのポイントについて解説していきます。
10級試験内容
10級の試験内容は以下になります。
・中段直突き
・上段揚げ受け
・中段外受け
・前蹴り
この4つの基本技だけです。
ぶっちゃけて言うと、ほぼ誰でも合格できます。
安心して昇級審査に臨んでください。
では、一つ一つ解説していきます。
中段直突き
八字立ちになり、左手は身体の前側に手のひらを開き(開掌)、右手は帯の横側に拳を握って構えます(手甲側が下向き)。
右側から交互に10本中段突きを打ちます。
中段直突きは自分のみぞおちの延長線上をめがけて突きます。
突く瞬間は肘から先を捻り、拳の向きが反転すると同時に反対側の手も肘先を捻りながら、サッと横脇腹の帯の高さくらいまで引き付けます。
ポイントはしっかり正面を向いて、「中段突きを打った後も肩が前に出過ぎていないか」です。
初心者の頃の突きは、ついリーチを長くしようと無意識のうちに身体を捻って、肩を前に出して突きをしようとしてしまいます。
審査のコツは、いかに正確に技を出せるかが第一です。
しっかりと正身の姿勢を保つように心がけましょう。
上段揚げ受け
10級は基本的に八の字立ちで行いますので、姿勢は中段直突きと同じです。
揚げ受けのスタートの姿勢は左手のひらを開いて額の前、右手は帯の横の引手の位置です。
まずは右揚げ受けから。
右手を引手の位置から垂直方向に上げていき、左手は額の位置から水平に降ろします。
このように両手を動かすと、胸の辺りで右手と左手が十字に交差するようになります(右手が前)。
十字に交差したところから右手を返して揚げ受けすると同時に左手は引手を取ります。
次に左揚げ受け。
右手は拳を握った状態から手のひらを開き(開掌)、右揚げ受けと反対になるように動かしていきます。
左右交互に10回行えば揚げ受けは終了です。
中段外受け
立ち方は八の字立ちのまま。
右外受けから始まります。
ちなみに外受けは流派によって少し違いがあるようで、松濤館流での外受けは他流はの内受けになるようです。
スタートの姿勢は、左手の拳を握り(手の甲側が上向き)、軽く前方に伸ばす。
右手も拳を握って肘を直角に曲げ、真横に約90°挙げておきます(手の甲側が後ろ向き)。
右拳の位置は右耳の横あたりに。
前方に出している左手をサッと横脇腹の位置まで引手をとると同時に、右拳は肘を直角に保ったまま外側から打ち払うように前方に出す。
この時、拳の位置は肩の高さとなり、拳の向きは甲側が前を向くように反転しています。
続いて左外受け。
左拳は引手の位置から左耳の横の位置まで上げ、肘は直角にし、右拳は外受けのポジションから拳を反転し甲を上向きにする。
そこから左腕を外側から打ち払うように外受けを出します。
左右交互に10回行います。
外受けのポイントは脇を締めるように技を出す事です。
打ち払うとありますが、外側から振り回すように外受けを出すと下手に見えます。
耳の横に拳を振りかぶって構えたら、肘から脇を締めるように内側に腕を絞るように意識すると力強い外受けになります。
前蹴り
最後に前蹴りです。
前蹴りは閉足立ちという立ち方で行います。
閉足立ちは両足の内側同士を密着させた直立姿勢です。
両手は拳を握り、下段搔き分け。肘を伸ばし、両手を外側に開いた姿勢です。
右前蹴りから交互に10回。
股関節をしっかり曲げ込み引き足の姿勢をとります。
そこから膝を前に伸ばすように蹴りを出し、蹴り終えたら先ほどの引き足の位置まで脚を戻し、閉足立ちの姿勢に戻します。
意識は蹴り足3の引き足7の割合で、引き足を早くすると上手く前蹴りができるようになります。
それともう一つ。
蹴り技で難しいのは足の締め方。
前蹴りは足首を下げて(底屈)、親指を上に反らすようにし、虎趾という形を作る練習もしておきましょう。
まとめ
10級の審査は八字立ちと閉足立ちの直立姿勢のみで行います。
ほとんどの人が難なく合格できると思いますので安心してください。
ただし、真剣に取り組みましょう。
昇級審査には飛び級があり、10級受験の段階ですでにもっと上位の級でもおかしくない実力があれば9級、8級などに合格する事も可能です。
飛び級を一番狙いやすいのが、この10級受験という事です。
10級の審査内容を上手に出来ると、9級や8級の審査内容の一部をその場でしてみるように言われる事があります。
飛び級狙いであれば、移動基本技と平安初段の形まではしっかり習熟しておくと良いでしょう。